皆様は「ロートアイアン」という言葉は知っていましたか?
ヨーロッパでは街中にあるので誰でも知っている言葉かもしれませんが、日本では「ロートアイアン」は広く知られた製品ではないので、聞き慣れない言葉かもしれません。
「鍛冶屋(かじや)」という言葉は聞いた事はありますか?ロートアイアン職人は鍛冶屋の中でも鍛造工芸を専門につくる職人です。
欧米諸国では鍛冶屋のことを「ブラックスミス」といいます。ハンマーで鉄を鍛錬する職人の意味で使われています。
日本で鍛冶屋というと、歴史的に戦国時代や戦争で武器や鉄砲を生産していたイメージがあります。特に実用的な農具や包丁、武器といったものを生産していました。
一方、ヨーロッパでは芸術的な「鍛造工芸品(ロートアイアン)」の生産も盛んでした。「デザイン」や「ものづくりの精神」を強く打ちだし,素晴らしい作品を作っていてその存在は世界的に広く認められています。
クラシック曲に、ヘンデルの「愉快な鍛冶屋」という名曲があります。鍛冶屋が鉄をリズミカルに叩く様子から旋律が生まれました。かのベートーヴェンもこの曲を高く評価したそうです。
芸術や工芸の歴史が深いヨーロッパならではの創造です。
ロートアイアンは、そうした西洋文化から生まれた芸術品なんです。
昔のロートアイアン職人は、すべて手作業で生産していました。
現代では、機械化が進み機械に頼れる作業も増え細やかなデザインにのみ手作業を施す製作になりました。昔より職人の労働負担が減り短納期で生産できるようになったのが機械化のメリットです。
世の中の需要が「短納期」「低価格」にあるため、なかなかすべて手作業での生産はできないのがもどかしいところです。
弊社の社長の話になりますが、社長はすべて手作業で作っていたロートアイアン職人の技術と芸術に惚れ込みこの仕事を始めました。
ヨーロッパ各地を巡り伝統技術をや西洋文化を学んできたそうで、母国日本にも伝え残していきたいと思ったそうです。
社長がドイツで見つけてきたロートアイアンの専門書があります。社長の所有の本は山ほどありますが、その中でも大切にしている1冊です。
この書籍の中で、作者はある国でその地の伝統が途絶えたとしても、どこかの国に根付くかもしれないという前書きがありました。
ドイツの伝統技術が海を越えて広がっていく事を願って作られた専門書です。
今回は、この本の中からバスケット(英:スパイラル)の作り方を紹介したいと思います。
弊社でも人気のあるデザインの1つで門扉や階段手すりのアクセントに使っています。
出典:Otto Schmirler Werk und Werkzeug des Kunstschmieds
1.ひとつの鉄棒に穴を開ける
2.穴から穴まで切れ目を入れる
3.上下から圧力をかけ切れ目を開く
4.2本の切れ目の開いた鉄棒を重ねる
5.合わせた鉄棒をひねり螺旋(らせん)のデザインを作る
この螺旋(らせん)は、2本の鉄棒でも4本の鉄棒でも製作でき、形状は円形から楕円形、細長いものにすることができます。
弊社で製作したバスケットがこちらです。2本の鉄棒で製作し、色はマットブラックにゴールドを混ぜています。
弊社では、少し細長くスタイリッシュな形状にしています。
いつの日か欧州の地で日本人が日本の伝統を学びに、日本に欧州人が西洋の伝統を学びに来る時代がくるかもしれないですね。
伝統技術がどこかの地で大切に継承されていく・・・ロマンを感じますね・・・。
門扉
両開き門扉(電動駆動)【製品ナンバー】GD-2007-006
階段手すり
本物のロートアイアンをじっくりとご覧ください。
暮らしを彩るデザインを専任スタッフがご提案いたします。
※事前にご予約いただければ、スムーズなご案内が可能です。